歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしり・食いしばりについて

歯ぎしり・食いしばりについて歯ぎしりや食いしばりは、睡眠中や日中のストレスや緊張の影響で発生することがあります。
日本人の約2割が夜間に歯ぎしりをしていると言われています。一部の方は自覚していますが、多くはを家族やパートナーから指摘されたり、朝起きたときに顎の痛みを感じたりすることで気づきます。また、歯科医師がお口の中を診察すると、歯がすり減っていたり、細かな亀裂が入っていたり、舌や頬に食いしばっていた痕跡が見られることがあります。これらは歯ぎしりや食いしばりによって起きたものです。

歯ぎしりや食いしばりが続くと、歯にダメージが生じるだけでなく、周囲の筋肉も過度に使われるため、頭痛や肩こりなどが生じることもあります。また、顎関節や顔面の痛みも歯ぎしりや食いしばりと関連しています。

歯ぎしり・食いしばりが歯に与える悪影響

歯ぎしり・食いしばりは、歯に以下のような悪影響をもたらす可能性があります

歯の摩耗と破損

持続的な力が歯に加わることで、歯の表面が摩耗し、欠けたり割れたりする可能性が高まります。これにより、歯の寿命が短くなることがあります。

歯周組織への影響

歯ぎしり・食いしばりは歯ぐきや周囲の組織にも圧力をかけるため、歯周病の進行を促進することがあります。歯周病は歯とその周囲の組織の炎症を引き起こし、歯を支える骨を傷つける可能性があります。

顎関節の問題

歯ぎしり・食いしばりが長期間続くと、顎関節に過度の負荷がかかることがあり、顎関節症を引き起こす可能性があります。これにより、顎の痛みや不快感、頭痛、耳鳴りなどの症状が現れることがあります。

顎関節症

不快感と痛み

歯ぎしり・食いしばりによって、歯や顎に痛みや違和感が生じることがあります。また、噛む際に不快な感覚を伴うこともあります。

寝不足とストレス

歯ぎしり・食いしばりが睡眠中に起こる場合、質の低い睡眠や起きている間のストレスを引き起こす可能性があります。

歯ぎしり・食いしばりの主な原因

歯ぎしりや食いしばりの主な原因は、以下の4つです。

ストレス

ストレスが最も一般的な原因です。日常生活や仕事上のストレスが蓄積し、無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりが現れることがあります。

習慣

一部の人々は、特定の職業やスポーツなどで瞬発的に力を発揮する必要があるため、食いしばりが習慣化している場合があります。

噛み合わせや骨格の問題

噛み合わせの異常や顎の変位、不適合な詰め物などが原因となり、歯ぎしりや食いしばりが起こることがあります。

子ども特有のもの

永久歯と乳歯の入れ替え時期など、特定の成長段階において不快感があり、歯ぎしりや食いしばりが起こることがあります。

無計画に歯ぎしりや食いしばりを改善しようとすると、別の大きな問題が生じる可能性があります。歯科医師や専門家の指導のもとで適切な治療法や対策を選択することが重要です。

歯ぎしり・食いしばりの治療法

マウスピースの作成

マウスピースの作成歯ぎしりや食いしばりから歯を保護するために、就寝時にオーダーメイドのマウスピースを装着する方法があります。市販のものもありますが、歯科医院で自分の歯並びに合ったマウスピースを作成することが大切です。適切なマウスピースの使用によって、歯ぎしりや食いしばりによる歯や顎への負担を抑えることができます。

噛み合わせ治療

噛み合わせ治療歯ぎしりや食いしばりが噛み合わせの問題に関連している場合は、噛み合わせの調整によって症状が緩和することがあります。歯ぎしりだけでなく、頭痛や肩こり、腰痛などの全身症状も併発している場合は、噛み合わせの異常が原因の可能性が高いでしょう。

歯ぎしり・食いしばりの改善方法

舌トレーニング法

歯ぎしりや食いしばりの原因として、舌の位置が正しくないことが挙げられます。例えば、舌が歯の裏側に押し付けられたり、下の前歯の近くに置かれたりすることがあります。本来、舌は上顎の歯の後ろ側にある軟口蓋部分に置かれるべきです。
口を閉じているときに常に舌がこの位置にあると、顎が安静位を取り、歯同士が触れ合わず口の中が広くなります。これにより口のリラックス状態が保たれ、過度な筋肉の緊張を抑えることができます。

舌トレーニング法の方法は次のとおりです。

  1. 舌先を少しだけ丸めて上の歯の後ろ側に押し付ける
  2. 力を入れて10秒間キープする。このとき、上顎を舌で持ち上げるイメージを持つ
  3. 舌先をつけたまま力を抜く

このトレーニングを1日に何度でも繰り返すことで舌がいつも同じ場所に置かれるようになります。

咬筋マッサージ

噛み締めや食いしばりによって硬くなった顎周りの筋肉をマッサージすることも効果的です。咬筋は、顎を触りながら奥歯を噛み締めると固くなる部分です。親指以外の指を使って優しくマッサージしましょう。
円を描くようにしたり軽く押したりすることがポイントです。日中に噛み締めに気づいたときや入浴中、寝る前にも行うと良いでしょう。
これらの方法は簡単で道具も必要ないため、意識して取り組むことで習慣化できます。ただし、症状や原因は個人によって異なる場合があるため、重度の症状がある場合や効果が感じられない場合は、歯科医師に相談することをおすすめします。